ドローンが頭にぶつかるとどうなる?米連邦航空局が危険性を調査
どんどんドローンの実用化と法律整備が進んでいるアメリカですが、そんななか、コントロールを失ったドローンが人間にぶつかったときに、実際どの程度の危険性があるのか?米連邦航空局が実験/調査しました。
USA Today誌が報じています。
What happens if a drone hits you in the head?
ドローン衝突により、実際におきるケガの深刻度とは?
研究をリードしたアラバマ大学のエンジニア、David Alterburn氏です。
実験ではDJI Phantom 3(重量1.2キロ)を時速54キロで、衝突テスト用のダミー人形に落下させる事でおこなわれました。
What happens if a #drone hits a person on the ground? @ASSUREuas is researching risk of serious injury #UASIMPACT https://t.co/LJRpVBQyRX pic.twitter.com/E9d0wkDFf5
— The FAA (@FAANews) 2017年4月28日
報告によれば、ドローンにぶつかった場合に起きうるケガの種類として最もあり得るのは、打撲、貫通性外傷、そして切り傷とのこと。
それぞれの発生確率は
・頭部の深刻なケガの発生率:0.01%-0.03%
・首のケガの発生率:11%-13%
とのことです。
この危険性はどう評価されたのか
数字できいても何ともピンとこないというのが正直なところです。
研究での評価としては、ドローンの一部の特徴(たとえばローターがむき出しである点など)は危険性向上に寄与する一方で、ドローンの構造的特徴(岩などと違ってしなりやすい)は衝撃を低減するため危険性を低下させる事につながったとのこと。
研究では、脳挫傷等の深刻な頭部のケガを最も避けるべきものとして、人の上を飛ばす際には必ずローターやブレードのガードをつけることを義務づけるべきだとしています。
Amazonなど多くの企業がドローンによる物流に可能性を見いだしていますが、その安全性を担保する上で最も大事な事は、通行人など無関係な人々の安全確保です。
今回の研究の次のステップ
2017年6月から今回の研究の次のステップに移り、今回の研究の内容の検証とともに、今後ドローンメーカー各社が、人の上を飛行する際の安全性を認証する試験制度の確立等に繋げていくようです。